4-3-2-1システム

フォワードの後方にオフェンシブハーフを2枚置いた、4-3-2-1システムについて解説します。 2008年のACミランを代表としたクラブが採用するフォーメーションです。

フォーメーションの特徴

4-3-2-1 システムは4-5-1システムのオフェンシブハーフを2枚にした形のフォーメーションです。中盤のセンターに多くの選手を配置することで、中央からの崩しと守備への対策が容易になります。

ディフェンダーの前方に構える3人のミッドフィルダーは、両サイドの選手がサイドアタックに参加したり、中央に絞り込むことで流動的な動きが求められます。

 

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オフェンス戦術

フォワードとフォワードの後方に位置する2人のオフェンシブハーフが中心となって攻撃を組み立てていきます。2人のオフェンシブハーフはセカンドストライカーの役割を求められ、フォワードを追い越す動きや、サイドに張り出して攻撃を組み立てたり、単独での突破など、比較的自由どの高いポジショニングが許容されます。2008年のACミランでは、カカとシードルフ、あるいはロナウジーニョがセカンドストライカーを務めました。サイドアタックよりもセンターアタックに向いているシステムと言えます。3トップ時よりもFWとオフェンシブハーフとの距離が近く、背の低いスピード系のセンターフォワードでも問題ないです。

ディフェンス戦術

3人のディフェンシブハーフが相手のセンターアタックを食い止めるべく、両サイドから中央に絞る動きを求められます。相手のサイドアタッカーに対しても、両サイドのディフェンシブハーフが対応することで、ディフェンス時は安定したプレッシングが可能となります。両サイドのディフェンシブハーフにサイドアタッカータイプの選手を配置することも可能ですが、ディフェンス時には決められた動きをしないとディフェンスにほころびが出てしまうでしょう。

キーポジション

オフェンス時は前線の3人による突破に依存する場面が多く、3人の個人能力は高い水準が求められます。ディフェンシブハーフの中央の選手は、中盤のスペースを常にカバーできるようなスタミナに秀でた選手を置くと、ディフェンスがより安定するでしょう。2008年ACミランでは、このポジションをピルロが勤めていました。ピルロのように運動量よりもボールの配給に適正のある選手を配置する場合、両サイドのディフェンシブハーフにはガットゥーゾやアンブロジーニのような運動量・対人守備に優れた選手を配置するとバランスが取れるでしょう。

  • オフェンシブハーフ(セカンドストライカー)
  • フォワード
  • ディフェンシブハーフ

フォーメーション・戦術上の弱点

センターアタックに適したフォーメーションであるため、センターアタックを封じられた場合に攻撃が手詰まりになる恐れがあります。前線の3人の個人能力も必要ですが、3人の交代要員も十分な能力の選手が必要です。

サイドアタックを行う場合、サイドバックによるオーバーラップと、両サイドのディフェンシブハーフによるオーバーラップが必須といえます。彼らが前線まで上がったときに、相手のカウンターにうまく対応できるようなチーム全体でのポジショニングが必要です。

ディフェンスラインが下がり気味になりがちな選手配置の為、ラインコントロールが重要といえます。

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